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電力自由化によって、家庭でもさまざまな電力会社や料金プランを選択できるようになりました。一方で、「電力会社を切り替えると電気料金はどう変わるのか」「料金以外には何を比較すればよいのか」と迷う方もいるでしょう。
電力会社を比較するときは、基本料金や電力量料金だけを見るのではなく、燃料費調整額の仕組み、契約条件、供給エリア、特典なども確認することが重要です。
特に電気料金は、住んでいる地域、契約アンペア数、毎月の使用量、燃料費調整額などによって変わります。そのため、特定の電力会社へ切り替えれば必ず電気料金が安くなるとは限りません。
この記事では、オクトパスエナジーを中心に、ENEOSでんき、idemitsuでんきを比較します。
比較するポイントは、主に以下のとおりです。
・料金プラン
・基本料金
・電力量料金
・燃料費調整などの料金変動要素
・サービスの特徴
・キャンペーンや特典
・向いている利用シーン
・切り替える際の注意点
各サービスを同じ基準で確認するため、電力会社を切り替える際の判断材料として活用してください。
なお、料金・キャンペーンなどは2026年10月6日時点で確認した情報です。電力料金やキャンペーンの条件は変更される場合があります。契約前には各社公式サイトで最新の料金、対象地域、適用条件を確認してください。
今回比較する電力サービス
この記事では、以下の3サービスを比較します。
| サービス | 運営・小売電気事業者 | 主な比較ポイント |
|---|---|---|
| オクトパスエナジー | TGオクトパスエナジー株式会社 | 複数の料金メニュー、再生可能エネルギーに関する取り組みなど |
| ENEOSでんき | ENEOS Power株式会社 | 一般家庭向けプラン、継続利用時の割引、ポイント・カード関連特典など |
| idemitsuでんき | 出光興産株式会社 | 一般家庭向け・オール電化向けプラン、クルマ関連特典など |
3サービスはそれぞれ異なる事業者が提供しています。
料金体系にも違いがあるため、「電力量料金の単価だけで決める」のではなく、実際の契約条件に当てはめて比較することが大切です。
オクトパスエナジー

出典:オクトパスエナジー公式サイト
公式サイト:オクトパスエナジー公式サイト
オクトパスエナジーは、日本ではTGオクトパスエナジー株式会社が展開する電力サービスです。
料金メニューには、一般家庭で検討しやすい「グリーンオクトパス」や、基本料金・燃料費調整額を設けず、一定期間の電力量料金単価を固定する「シンプルオクトパス」などがあります。
電気料金の仕組みはプランによって異なるため、単純に基本料金や1kWh当たりの単価だけを比較するのではなく、自宅の電気使用量に合わせてシミュレーションすることが重要です。
オクトパスエナジーの特徴
複数の料金メニューから検討できる
オクトパスエナジーでは、料金体系の異なる電力プランが用意されています。
代表的な「グリーンオクトパス」は、基本料金と使用量に応じた電力量料金などで構成されます。
一方、「シンプルオクトパス」は基本料金が0円で、燃料費調整額を設けず、12カ月間は電力量料金単価が固定される仕組みです。再生可能エネルギー発電促進賦課金は別途加算されます。また、公式サイトでは12カ月経過後に所定のグリーンオクトパスへ切り替わることが案内されています。
このように料金の計算方法自体が異なるため、現在の電力会社の料金体系と比較する際には注意が必要です。
再生可能エネルギーを意識したサービス
オクトパスエナジーは、再生可能エネルギーに関する取り組みも特徴の一つです。
シンプルオクトパスについても、公式サイトでは実質再生可能エネルギー100%の電気として案内されています。
料金だけでなく、電源や環境面の取り組みも電力会社選びの比較項目にしたい場合は確認しておきたいポイントです。
オクトパスエナジーの料金
オクトパスエナジーの料金は、契約する料金メニューと供給エリアによって異なります。
ここでは比較条件を分かりやすくするため、東京電力エリアの一般家庭向け料金を例に見ていきます。
グリーンオクトパスの料金例
東京電力エリアのグリーンオクトパスでは、基本料金と3段階の電力量料金を組み合わせる料金体系が採用されています。
30Aの場合、基本料金は日額29.10円で、30日として計算すると873円相当です。
電力量料金は、2026年4月改定後の料金として、
・120kWhまで:19.27円/kWh
・120kWh超~300kWh:24.47円/kWh
・300kWh超:27.86円/kWh
という料金水準が確認できます。
ただし、グリーンオクトパスでは電力量料金だけで最終的な請求額が決まるわけではありません。燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などを含めて確認する必要があります。
また、地域によって基本料金や電力量料金は異なります。
シンプルオクトパス
シンプルオクトパスは、基本料金0円、燃料費調整額なしという料金設計です。
電力量料金はエリアごとに設定され、契約後12カ月間は単一の単価が適用される仕組みとなっています。再生可能エネルギー発電促進賦課金は別途必要です。
基本料金がないからといって、すべての家庭で他の料金プランより総額が低くなるわけではありません。
電気使用量や比較対象となる料金プランによって結果は変わるため、実際の使用量を入力して料金を比較することが大切です。
オクトパスエナジーのおすすめポイント
オクトパスエナジーを比較するときに注目したいポイントは、料金体系の選択肢です。
一般的な段階制料金に近い料金体系を検討したい場合はグリーンオクトパス、基本料金や燃料費調整額のないシンプルな料金体系を検討したい場合はシンプルオクトパスというように、自分の考え方に合わせて比較できます。
また、料金だけでなく再生可能エネルギーに関する取り組みも確認できるため、環境面を含めて電力会社を選びたい場合にも比較候補となります。
オクトパスエナジーのキャンペーン・特典
オクトパスエナジーでは、申込経路や時期によって電気料金の割引などが実施される場合があります。
ただし、キャンペーンには対象となる申込ページ、対象者、併用条件などが設定される場合があるため、「オクトパスエナジーへ申し込めば一律で同じ特典を受けられる」とは限りません。
申込前には、利用する申込ページに表示されているキャンペーン内容と適用条件を確認してください。
なお、キャンペーンは変更・終了する場合があります。
オクトパスエナジーの利用シーン
オクトパスエナジーは、次のような場合に比較しやすい電力サービスです。
・現在の電気料金を見直したい
・電力会社の切り替えを検討している
・複数の料金体系を比較して選びたい
・料金だけでなく再生可能エネルギーについても確認したい
・基本料金や燃料費調整額のない料金体系にも関心がある
ただし、実際に料金面でメリットがあるかは家庭ごとに異なります。
現在の検針票や電力会社のマイページなどから「契約アンペア数」「月間使用量」「現在の料金」を確認してから比較すると判断しやすくなります。
オクトパスエナジーのまとめ
オクトパスエナジーには、グリーンオクトパスやシンプルオクトパスなど、料金の計算方法が異なる選択肢があります。
特に電力会社の切り替えでは、「基本料金が安い」「1kWh当たりの料金が安い」といった一部分だけで判断するのではなく、燃料費調整額などを含めた請求総額を比較することが重要です。
まずは現在の電気使用量を確認し、公式サイトの料金シミュレーションなどを使って自宅の条件に当てはめて比較するとよいでしょう。
ENEOSでんき

出典:ENEOSでんき公式サイト
公式サイト:ENEOSでんき公式サイト
ENEOSでんきは、ENEOS Power株式会社が提供する電力サービスです。
一般家庭向けの「Vプラン」をはじめ、地域や利用目的に応じた複数の料金プランが用意されています。
一般家庭だけでなく、オール電化住宅向け、EV・PHEV所有者向けなどのプランも用意されており、生活スタイルに合わせて検討できます。
ENEOSでんきの特徴
一般家庭向けのVプランを用意
ENEOSでんきの一般家庭向けプランとして「Vプラン」があります。
供給地域によって料金単価は異なりますが、基本料金と使用量に応じた電力量料金などを組み合わせる料金体系です。
東京電力エリアでは「東京Vプラン」が提供されています。
電気使用量に応じた3段階料金
東京Vプランでは、電力量料金が使用量によって3段階に分かれています。
そのため、実際の電気料金を比較するときは、自宅が毎月何kWh程度使用しているかを確認することが重要です。
ポイントやカード関連サービスも比較材料になる
ENEOSでんきでは、ポイントや提携カード、ENEOSのサービスとの組み合わせも特徴となっています。
電気料金単体だけでなく、普段利用している決済方法や給油なども含めて検討すると、サービスの違いを把握しやすくなります。
ENEOSでんきの料金
東京電力エリアの「東京Vプラン」を例に確認します。
基本料金
30Aの場合は月額935.25円(税込)です。
そのほか、
・10A:311.75円
・15A:467.63円
・20A:623.50円
・30A:935.25円
・40A:1,247.00円
・50A:1,558.75円
・60A:1,870.50円
となっています。
実際の請求額には、電力量料金だけでなく燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金なども関係します。
また、ENEOSでんきの公式サイトでは、燃料価格が高騰した場合などには、燃料費調整額に上限がないことから大手電力会社の規制料金より電気料金が高くなる場合がある旨も案内されています。
この点は、電力会社を比較するうえで確認しておきたいポイントです。
ENEOSでんきのおすすめポイント
ENEOSでんきは、一般家庭向けのVプランに加え、オール電化やEVなど生活スタイルに応じた料金プランを比較できる点が特徴です。
また、長期利用を前提とした「にねん とく2割」では、適用開始から24カ月間は電力量料金単価を1kWh当たり0.2円(税込)割り引き、3年目以降は1kWh当たり0.3円(税込)の割引となる仕組みが案内されています。
長期利用を検討する場合は、このような継続利用時の条件も含めて比較するとよいでしょう。
ENEOSでんきのキャンペーン・特典
2026年10月6日時点では、「給油でおトク でんき乗り換えキャンペーン」が公式サイトで案内されています。
ENEOSでんきを新規で申し込み、条件を満たした場合、電気料金から年間最大合計12,000円の割引を受けられる内容です。キャンペーンの申込期限は2026年11月4日までと案内されています。
ただし、すべての料金プランが対象ではありません。
北海道Aプラン、東北Aプラン、東京5アンペアプラン、中部Aプラン、北陸Aプラン、九州Aプランや各地域のEV夜とくプランなど、一部対象外プランがあります。また、2026年9月10日以降の申し込みについては、一部提携代理店経由の申し込みが対象外となる旨も公式サイトに記載されています。
キャンペーンは申込経路や料金プランによって適用可否が変わるため、申し込み前に条件を確認する必要があります。
ENEOSでんきは、次のような場合に比較しやすいサービスです。
・一般家庭向けの段階制料金プランを検討したい
・毎月の電気使用量が比較的多い
・ENEOSのサービスを日常的に利用している
・ポイントやカード特典も含めて検討したい
・オール電化住宅やEV向けプランも比較したい
・長期利用を前提とした割引制度も確認したい
一方で、燃料費調整額などによって請求額は変動します。
現在の電力会社との比較では、基本料金や電力量料金だけでなく、燃料費調整額を含めて確認することが重要です。
ENEOSでんきは、一般家庭向けのVプランを中心に、オール電化住宅やEV・PHEVを利用する家庭など、ライフスタイルに合わせた料金プランが用意されています。
ポイント・カード関連の特典や長期利用時の割引などもあるため、電気料金だけでなく付帯サービスを含めて比較したい場合に確認しておきたい電力サービスです。
キャンペーンを利用する場合は、対象プラン、申込経路、申込期限などの条件まで確認してから手続きを進めましょう。
idemitsuでんき

出典:idemitsuでんき公式サイト
公式サイト:idemitsuでんき公式サイト
idemitsuでんきは、出光興産株式会社が提供する電力サービスです。
一般家庭向けの「Sプラン」と、オール電化住宅向けの「オール電化プラン」があり、住まいや電気の使い方に応じて選択できます。
また、ガソリン車やEVを利用する人向けのサービスが用意されている点も特徴です。
idemitsuでんきの特徴
一般家庭向けのSプラン
ガスと電気を併用する一般家庭では「Sプラン」が主な選択肢となります。
地域によって料金は異なりますが、北海道・東北・東京・中部・北陸・九州では、基本料金と3段階の電力量料金を組み合わせる料金体系です。
関西・中国・四国では料金構成が異なるため、居住エリアに対応した料金表を確認する必要があります。
オール電化住宅向けプランも用意
給湯や調理などを電気でまかなうオール電化住宅向けには「オール電化プラン」があります。
一般家庭向けのSプランとは料金体系が異なるため、現在オール電化向けプランを契約している場合は、同じ利用条件で比較することが重要です。
idemitsuでんきの料金
東京電力エリアのSプランを例に確認します。
基本料金は10A当たり311.75円(税込)です。
そのため30A契約の場合は、月額935.25円相当となります。
電力量料金は、
・120kWhまで:29.80円/kWh
・120kWh超~300kWh:34.76円/kWh
・300kWh超:37.10円/kWh
となっています。
なお、別途、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などが加わります。
電気使用量や燃料費調整額、割引の適用状況によって実際の請求額は変わるため、契約前には料金シミュレーションで確認することが重要です。
idemitsuでんきのおすすめポイント
idemitsuでんきでは、電気料金プランだけでなく、車を利用する家庭向けの「クルマ特割」も比較ポイントになります。
ガソリンコースでは、ハイオク・レギュラー・軽油が1リットル当たり2円引きとなり、月間100リットルが上限です。
条件どおり月100リットルを1年間利用した場合、年間最大2,400円相当の割引となります。
EVコースでは、電気料金から毎月200円が割り引かれ、年間では2,400円相当となります。
そのため、車を日常的に利用している場合は、電気料金だけでなく車関連の特典も含めて比較できます。
idemitsuでんきのキャンペーン・特典
2026年10月6日時点では、公式サイトで「idemitsuでんき 入会特典」が案内されています。
実施期間は2026年4月1日から2027年3月31日までです。
期間中に「Sプラン」「オール電化プラン」「低圧電力プラン」へ申し込み、所定の条件を満たした場合、供給開始日が属する月から3カ月後の電気料金1カ月分について3,000円の割引が適用されます。
ただし、対象月の電気料金が3,000円未満の場合は、その電気料金額までが割引対象となり、差額の繰り越しや返金はありません。
また、特典内容は変更・中止される場合があります。
idemitsuでんきは、次のような場合に比較しやすいサービスです。
・一般家庭向けの料金プランを探している
・オール電化住宅に住んでいる
・日常的にガソリン車を利用している
・EV・PHEVを利用している
・電気料金と車関連の費用をまとめて見直したい
ただし、クルマ特割を含めたメリットは、自動車の利用状況によって変わります。
車をあまり使用しない場合は、特典部分を除いた電気料金そのものを中心に比較すると判断しやすくなります。
idemitsuでんきは、一般家庭向けのSプランとオール電化住宅向けプランを中心に、生活スタイルに合わせて検討できる電力サービスです。
特にガソリン車やEVを利用している家庭では、クルマ特割も比較材料になります。
ただし、電気料金は地域や使用量、燃料費調整額などによって変動します。
現在の電気使用量を確認し、公式サイトの料金シミュレーションを利用して比較してから契約を検討するとよいでしょう。
オクトパスエナジー・ENEOSでんき・idemitsuでんきを比較
ここまで紹介した3サービスについて、主な違いを一覧で確認します。
電気料金は供給エリアや契約容量、使用量、燃料費調整額などによって変わるため、料金表だけで実際の請求額を判断することはできません。
以下では条件をそろえやすくするため、料金については主に東京電力エリアの一般家庭向けプランを例に比較しています。
| 比較項目 | オクトパスエナジー | ENEOSでんき | idemitsuでんき |
|---|---|---|---|
| 運営・小売電気事業者 | TGオクトパスエナジー株式会社 | ENEOS Power株式会社 | 出光興産株式会社 |
| 一般家庭向けの代表的なプラン | グリーンオクトパスなど | Vプラン | Sプラン |
| 東京エリア・30Aの基本料金例 | グリーンオクトパス:日額29.10円、30日換算873円相当 | 東京Vプラン:月額935.25円 | Sプラン:月額935.25円相当 |
| 電力量料金の特徴 | グリーンオクトパスは3段階制。シンプルオクトパスは単一単価 | Vプランは3段階制 | Sプランは3段階制 |
| 燃料費調整 | プランによって異なる。シンプルオクトパスは燃料費調整額なし | あり | あり |
| 再エネ賦課金 | あり | あり | あり |
| オール電化向け | 専用プランなどを公式サイトで確認 | オール電化プランあり | オール電化プランあり |
| EVなどとの組み合わせ | プラン・サービス内容を確認して選択 | EV夜とくプランあり | クルマ特割のEVコースあり |
| 長期利用関連 | 契約するプランの条件を確認 | 「にねん とく2割」あり | 契約プラン・特典条件を確認 |
| 車関連の特典 | ― | ENEOSカードなどとの組み合わせを確認可能 | クルマ特割あり |
| 特徴 | 料金体系の異なる複数プラン、再生可能エネルギーへの取り組み | 一般家庭向けに加えてオール電化・EVなど複数の選択肢 | Sプラン、オール電化プラン、クルマ特割など |
| 公式サイト | オクトパスエナジー公式サイト | ENEOSでんき公式サイト | idemitsuでんき公式サイト |
※料金・サービス内容は2026年10月6日時点で確認した情報をもとにしています。
※実際の料金は地域、契約容量、使用量、燃料費調整額、割引などによって異なります。
※各社の料金・キャンペーン・適用条件は変更される場合があります。申し込み前に公式サイトで最新情報を確認してください。
電力会社を比較するときの7つのポイント
電力会社の切り替えでは、「1kWh当たりの料金が安い会社を選べばよい」とは限りません。
家庭によって契約容量や電気使用量が異なるほか、料金を構成する項目そのものがプランによって異なるためです。
ここからは、オクトパスエナジーを含めた電力会社を比較するときに確認したいポイントを解説します。
1.現在の電気使用量を確認する
最初に確認したいのが、現在どの程度の電気を使っているかです。
電気料金プランには、使用量が増えるにつれて1kWh当たりの単価が変わる段階制料金が多くあります。
そのため、同じ30Aの家庭でも、月100kWh程度使用する家庭と400kWh程度使用する家庭では、料金プランを変更した際の影響が異なります。
比較する前に、現在契約している電力会社の検針票やWeb明細などから、少なくとも次の項目を確認しておくとよいでしょう。
・契約している電力会社
・料金プラン
・契約アンペア数または契約容量
・月間使用量(kWh)
・月々の請求額
・年間を通した使用量の変化
1カ月分だけでなく、可能であれば過去12カ月程度を確認することも大切です。
冷暖房の使用量が増える夏・冬と春・秋では、電気使用量が大きく変わる家庭もあるためです。
2.基本料金だけで判断しない
基本料金0円のプランを見ると、基本料金が設定されているプランより有利に感じる場合があります。
しかし、基本料金だけでは実際の電気料金は比較できません。
例えばオクトパスエナジーのシンプルオクトパスは基本料金0円ですが、使用した電力量に応じた料金は発生します。
一方、基本料金が設定されているプランでも、使用量に応じた電力量料金や割引などの条件によっては、請求総額の差が小さくなる場合があります。
そのため、
「基本料金+電力量料金+各種調整額+再エネ賦課金-適用される割引」
というように、最終的な料金全体で比較することが重要です。
3.電力量料金は自宅の使用量に当てはめて比較する
一般家庭向けの料金プランでは、使用量に応じて電力量料金の単価が変化する場合があります。
例えば、120kWhまで、120kWh超~300kWh、300kWh超というように段階が設定されている料金プランです。
ここで注意したいのは、300kWhを超えた場合に、使用した電気のすべてが第3段階の単価になるわけではないという点です。
段階制料金では、それぞれの使用量区分に対応する単価を積み上げて計算します。
料金比較では、自宅の月間使用量を料金シミュレーションへ入力し、現在の契約と候補となるプランを同じ条件で比べる方法が分かりやすいでしょう。
4.燃料費調整額を確認する
電力会社を比較する際に見落としやすいのが燃料費調整額です。
燃料費調整制度は、火力発電に使用される原油・LNG・石炭などの燃料価格の変動を電気料金へ反映する仕組みです。
基本料金や電力量料金が低く見える場合でも、燃料費調整額を含めると比較結果が変わる可能性があります。
例えばENEOSでんきでは、公式サイトで燃料価格が高騰した場合などには燃料費調整額に上限がないため、大手電力会社の規制料金より電気料金が高くなる場合があることを案内しています。
一方、オクトパスエナジーのシンプルオクトパスは、燃料費調整額を設けていない料金体系です。
このように、各社で料金の仕組みが同じとは限りません。
「基本料金」「電力量料金」だけではなく、「燃料費調整額をどのように計算するのか」まで確認することが大切です。
5.キャンペーンは通常料金と分けて考える
電力会社では、新規契約者を対象としたキャンペーンが実施される場合があります。
割引やポイントなどが受けられる場合には魅力的ですが、キャンペーンだけを理由に契約先を決めるのではなく、通常時の料金やサービス内容も確認しましょう。
特に確認したいのは次の項目です。
・対象となる料金プラン
・対象となる申込方法
・申込期限
・供給開始期限
・割引額
・割引される時期
・特典を受けるための条件
・他キャンペーンとの併用可否
「最大○円相当」といった表示がある場合には、最大額を受け取るための条件も確認することが重要です。
キャンペーン終了後も契約を継続する場合は、通常料金を基準に無理なく利用できるかを考えておくとよいでしょう。
6.電気以外の特典も生活スタイルに合わせて比較する
電力会社によっては、電気料金以外のサービスを提供しています。
ENEOSでんきではポイントやカード、ガソリンスタンドなどとの組み合わせが比較材料になります。
idemitsuでんきでは、ガソリン車やEVを利用する人を対象としたクルマ特割があります。
一方、オクトパスエナジーでは、料金体系や再生可能エネルギーへの取り組みなどが比較ポイントになります。
付帯特典は利用する人にとってはメリットになる可能性がありますが、利用しないサービスであれば実質的なメリットは小さくなります。
「自分が普段使っているサービスか」という観点から比較するとよいでしょう。
7.供給エリアと契約条件を確認する
電力会社を切り替える前には、住所が供給エリアに含まれているか確認する必要があります。
同じサービス名でも、エリアによって料金プランや単価が異なる場合があります。
また、離島など一部地域では申し込めない場合があります。
引っ越しと同時に電力会社を変更する場合には、現在の住所からの切り替えとは手続き方法が異なる場合もあるため、各社の案内を確認してください。
利用スタイル別に比較するとどうなる?
3サービスには、それぞれ異なる特徴があります。
ここでは順位を付けるのではなく、どのような条件で比較候補にしやすいかを整理します。
料金体系の違いを比較して選びたい場合
オクトパスエナジーでは、グリーンオクトパスのほか、基本料金・燃料費調整額を設けないシンプルオクトパスなど、仕組みの異なる料金メニューがあります。
現在契約している電力会社と異なる料金体系も含めて比較したい場合は、各プランで料金シミュレーションを行うと判断しやすいでしょう。
ただし、基本料金0円という一点だけで有利と判断せず、実際の使用量を当てはめて年間の料金を比較する必要があります。
電気とENEOSのサービスを組み合わせたい場合
ENEOSでんきでは、一般家庭向けのVプランに加え、ポイントやカードなどに関連した特典があります。
また、「にねん とく2割」では、2年以上の利用を前提として、適用開始から24カ月間は電力量料金単価が1kWh当たり0.2円(税込)、3年目以降は1kWh当たり0.3円(税込)割り引かれます。
長期間利用する予定がある場合には、契約条件や途中解約時の条件まで確認したうえで比較するとよいでしょう。
車を利用する機会が多い場合
idemitsuでんきでは、クルマ特割が特徴の一つです。
ガソリンコースでは、対象条件を満たすとハイオク・レギュラー・軽油が1リットル当たり2円引きとなり、月100リットルまでが対象です。
EVコースでは、対象条件を満たす場合に電気料金から月200円が割り引かれます。
ただし、車の利用量が少なければ特典によるメリットも小さくなります。
電気料金と車関連特典を分けて確認し、年間でどの程度利用するかを考えて比較するとよいでしょう。
電力会社を切り替える方法
現在契約している電力会社から別の電力会社へ変更する場合、一般的にはWebサイトなどから手続きを行います。
1.現在の契約情報を確認する
まず、現在利用している電力会社の検針票やマイページを確認します。
申し込み時には、
・現在の電力会社名
・契約者名義
・お客さま番号
・供給地点特定番号
・現在の料金プラン
などが必要になる場合があります。
供給地点特定番号は、電気の供給場所を識別する22桁の番号です。
2.切り替え先の料金をシミュレーションする
次に、検針票などに記載されている使用量をもとに、候補となる電力会社の料金を比較します。
可能であれば1カ月だけでなく、複数月または年間の使用量を利用して比較しましょう。
3.切り替え先へ申し込む
利用したい電力会社を決めたら、公式サイトなどから申し込みます。
現在の電力会社から別の小売電気事業者へ切り替える場合、現在契約している電力会社への解約手続きを新しい電力会社側が行うケースがあります。
ただし、引っ越しを伴う場合などは手続きが異なる可能性があるため、申込先の案内に従ってください。
4.スマートメーターの状況を確認する
従来型の電力メーターが設置されている場合、スマートメーターへの交換が必要になることがあります。
具体的な交換方法や工事の有無については、地域の一般送配電事業者や申込先から案内されます。
5.供給開始日を確認する
手続きが完了すると、新しい電力会社から供給開始日などが案内されます。
切り替え後は初回請求を確認し、申し込んだ料金プランやキャンペーンなどが契約内容に反映されているか確認するとよいでしょう。
電力会社を切り替える際の注意点
切り替えれば必ず電気料金が下がるわけではない
電力会社を変更したからといって、すべての家庭で電気料金が下がるわけではありません。
料金は、
・居住地域
・契約容量
・電気使用量
・使用する時間帯
・燃料費調整額
・料金プラン
・割引の適用状況
などによって変わります。
広告などに掲載されている料金例だけで判断せず、自宅の使用状況に合わせて比較してください。
解約条件を確認する
プランによっては、一定期間の利用を前提とした割引や契約条件が設定されている場合があります。
途中で解約した場合の条件も含め、契約前に重要事項説明や約款を確認しておくことが大切です。
オール電化住宅は専用プランも比較する
オール電化住宅では、夜間の電力量料金が異なるなど、一般家庭向けプランとは異なる料金体系を利用している場合があります。
現在オール電化向けプランを契約している場合、一般家庭向けプランへ変更すると利用状況によっては料金が上がる可能性もあります。
オール電化住宅では、オール電化向けプラン同士を同じ使用条件で比較するとよいでしょう。
キャンペーンの適用条件を保存しておく
キャンペーン経由で申し込む場合には、申込時に表示されている条件を確認してください。
申込期間だけでなく、供給開始期限や継続利用期間などが設定される場合があります。
特典が適用されるまで期間が空く場合には、条件を確認できるよう申込内容を保存しておくと管理しやすくなります。
電力会社の切り替えに関するFAQ
Q1.オクトパスエナジーへ切り替えると電気料金は安くなりますか?
家庭によって異なります。
電気料金は地域、契約容量、使用量、選択するプランなどによって変わるため、オクトパスエナジーへ切り替えれば必ず安くなるとはいえません。
現在の電気使用量を確認し、公式サイトの料金シミュレーションなどを利用して比較してください。
Q2.オクトパスエナジーには基本料金0円のプランがありますか?
シンプルオクトパスは基本料金0円の料金プランです。
また、燃料費調整額を設けず、12カ月間はエリアごとに設定された電力量料金単価が固定されます。
ただし、再生可能エネルギー発電促進賦課金は別途加算されます。また、所定の期間経過後の料金プランについても契約前に確認してください。
Q3.電力会社を変更すると停電しやすくなりますか?
小売電気事業者を変更しても、電気を家庭まで届ける送配電網そのものが小売事業者ごとに別になるわけではありません。
停電については送配電設備のトラブルや災害などさまざまな要因があるため、「新電力へ変更したことだけを理由に停電しやすくなる」と考える必要はありません。
Q4.賃貸住宅でも電力会社を変更できますか?
入居者自身が電力会社と直接契約している一般的な賃貸住宅では、変更できる場合があります。
ただし、マンション全体で高圧一括受電契約をしている場合など、個別に変更できないケースもあります。
契約状況が分からない場合は、管理会社や大家などに確認してください。
Q5.電力会社の切り替えには工事が必要ですか?
すでにスマートメーターが設置されている場合、一般的な小売電気事業者の切り替えだけで大規模な工事が必要になるケースは通常ありません。
従来型メーターの場合はスマートメーターへの交換が行われることがあります。
個別の状況については申込先からの案内を確認してください。
Q6.電力会社を切り替えるときに現在の会社へ解約連絡は必要ですか?
現在の住所で電力会社を切り替える場合、新しく契約する小売電気事業者側で切り替え手続きを進めるケースがあります。
ただし、引っ越しを伴う場合などは手続きが異なります。
二重契約や手続き漏れを避けるため、申込先の案内に従ってください。
Q7.電気料金は何を比較すればよいですか?
基本料金と電力量料金だけでなく、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金、割引、キャンペーンなどを含めて比較することが重要です。
特に燃料費調整の仕組みは料金プランによって異なる場合があります。
最終的には、自宅の実際の電気使用量を使って年間料金を比較すると判断しやすくなります。
Q8.電力自由化とは何ですか?
家庭向けでは2016年4月に電力の小売全面自由化が始まり、消費者が電力会社や料金プランを選択できるようになりました。
ただし、住んでいる地域や建物の契約形態などによって選択できるサービスは異なります。
Q9.キャンペーンを基準に電力会社を選んでもよいですか?
キャンペーンも比較材料の一つですが、特典だけで判断するのではなく通常時の料金や契約条件も確認することが大切です。
特に期間限定割引の場合、割引終了後は通常料金になります。
長期間利用する予定であれば、キャンペーン終了後を含めた料金を比較してください。
オクトパスエナジーと他社を料金体系・サービスまで比較しよう
電力会社を切り替える際には、基本料金や電力量料金だけでなく、燃料費調整の仕組み、キャンペーン、付帯サービス、契約条件などを同じ基準で比較することが重要です。
今回比較したサービスには、それぞれ異なる特徴があります。
オクトパスエナジーは、グリーンオクトパスやシンプルオクトパスなど、料金体系の異なるプランを比較できる点が特徴です。
ENEOSでんきは一般家庭向けVプランのほか、オール電化やEVなどに対応したプランがあり、長期利用時の割引やポイント・カードなどのサービスも比較材料になります。
idemitsuでんきはSプランやオール電化プランに加えて、ガソリン車やEVを利用する人向けのクルマ特割などがあります。
どのサービスが適しているかは、家庭の電気使用状況や生活スタイルによって異なります。
特に、現在大手電力会社などを利用していて電気料金の見直しを考えている場合には、まず過去の検針票やWeb明細から契約アンペア数と月間使用量を確認してください。
そのうえで、
「現在の年間電気料金はいくらか」
「切り替え後の年間料金はいくらになるか」
「燃料費調整の仕組みにどのような違いがあるか」
「利用できる割引や特典はあるか」
という順番で確認すると比較しやすくなります。
オクトパスエナジーを検討している場合も、切り替えによる料金差は家庭ごとに異なります。現在の契約内容と使用量をもとに、公式サイトで料金プランやシミュレーション結果を確認してから判断するとよいでしょう。
料金・プラン・キャンペーンなどは変更される場合があります。本記事の料金情報は2026年10月6日時点で確認した内容です。申し込み前には最新の料金、供給エリア、契約条件、キャンペーン適用条件を各社公式サイトで確認してください。